【書評】Java言語プログラミングレッスン 第3版(下)

Java言語プログラミングレッスン 第3版(下) []の書評です。

結論から言うと、上巻の基礎知識を踏まえ、更に、オブジェクト指向やJava特有の機能の解説を盛り込んだ詳細な入門書です。

■ 良い点
・ Java特有の機能に詳しい
・ ガーベッジコレクションに詳しい
・ 例外に詳しい
・ スレッドに詳しい
・ コレクションに詳しい

■ 悪い点
・ クラスの解説はあるがOOPの解説は薄い

■ 総評

上巻に引き続く下巻となります。本の体裁や形式は上巻を引き継いでいます。ただ、内容自体は、若干、難しめとなります。

オブジェクト指向の肝である、クラスや継承については、そこまで深くは踏み込まず、基礎的な解説にとどめられています。OOPやデザインパターンは筆者の別の書籍が詳しいのでそちらを参考にするのが良さそうです。

これに対し、ガーベッジコレクションや例外、スレッド、コレクション等のJavaに特有の機能については、だいぶ、詳細に解説されています。よくあるコンパクトな入門書ではここまで深くは解説されていないので、ここら辺の知識を深めたい方には、お勧めの書籍です。

上巻と下巻を通して、文法書的な要素が強いので、Javaの文法を詳細にマスターしたい方には特にお勧めです。

Java言語プログラミングレッスン 第3版(下)

Java言語プログラミングレッスン 第3版(上)

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【書評】Java言語プログラミングレッスン 第3版(上)

Java言語プログラミングレッスン 第3版(上) []の書評です。

結論から言うと、基礎から詳細にJavaを解説してくれる、Java入門書にとって理解が深まる一冊です。

■ 良い点
・ 語り口調が読みやすく親しみやすい
・ 解説が詳細で細かく分かりやすい
・ サンプルコードが省略されず全体を掲載している
・ 付録もよくまとまっている

■ 悪い点
・ 解説が詳しい反面、若干、くどい箇所もあり

■ 総評

プログラミングの解説で著名なさんによるJava解説本の上巻です。初版は、1999年に出版されており、15年を経た今は第3版となっています。

流石に版を重ねてきただけ有り、しっかりとした作りとなっています。上巻では、プログラミングの基礎とクラスの導入部分までを扱うのですが、変数、if文、for文、配列等をこと細かく解説してくれます。

解説が語り口調のため、親しみがわき読み進めやすいです。ただ、若干、解説がくどい箇所もあります。また、用語などに解説が前後する箇所もあるので、全くの初心者なら2度読むことをお勧めします。

章や節ごとに、クイズや練習問題があるので、こちらも実際に考えて解いてみると理解が深まります。なかなか考えられた良問がそろっています。

上巻では、クラスの触りまでしか扱わないので、オブジェクト指向については、下巻を読むことが必要ですが、Javaの基礎がためにお勧めの一冊です。

Java言語プログラミングレッスン 第3版(上)

Java言語プログラミングレッスン 第3版(下)

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【書評】スラスラわかるJava

スラスラわかるJava [中垣健志,林満也 著]の書評です。

結論から言うと、Javaの基礎を広く、かつ、なかなか深く学習できる入門書です。著者の経験からくる、ナルホドと納得させられる薀蓄が多くあります。

■ 良い点
・ 章と節がコンパクトにまとまっている
・ コードと実行結果がきちんと書かれている
・ 本の体裁および内容ともに読みやすい
・ 型やクラスの説明が詳しく丁寧
・ コレクションやジェネリクスも詳しい

■ 悪い点
・ 誤字脱字がところどころ有る
・ 後の解説が前に来ることが有る

■ 総評

「スラスラわかるJava」というタイトル通り、スラスラと読み進めることができます。内容がコンパクトにまとまっているので、2冊目のJava本としてもお勧めです。

ただ、コンパクトな分、内容が濃いので、全くのプログラミング初心者が読むには、少しだけ荷が重いかもしれません。

本書を読み進めると他の入門書にはない、経験豊富な著者だから言えるノウハウや薀蓄があり、「ナルホド!」と理解が深まりました。

また、コレクションやジェネリクス、内部クラス等も詳しく解説されているのでJava特有の機能の理解も深まります。

ただ、クラスとオブジェクトの基礎は扱いますが、実践的なオブジェクト指向までは扱っていないので、この点は、他のOOP本でカバーする必要があります。

オブジェクト指向やデザインパターンを学習する前の基礎レベルのアップに最適な一冊です。

スラスラわかるJava

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【書評】オブジェクト指向でなぜつくるのか【第2版】

オブジェクト指向でなぜつくるのか 第2版  [平澤 章 著]の書評です。

結論から言うと、オブジェクト指向が使われることになった歴史的推移を考察し、オブジェクト指向の必然性と必要性を紐解く一冊です。また、オブジェクト指向全般にわたる周辺知識も多く紹介されています。

■ 良い点
・ オブジェクト指向が使われることになった歴史的背景がわかる
・ オブジェクト指向の周辺知識が簡潔に紹介されている
・ オブジェクト指向の理解が深まる
・ プログラミングの歴史的発展の推移がわかる

■ 悪い点
・ あえて言えば、具体的な細かな手法は紹介されておらず概略にとどまる

■ 総評

クラスやオブジェクトの文法は学習したが、なぜオブジェクト指向で作らなければならないか疑問に思う人に向けて書かれた一冊です。

前半では、オブジェクト指向が使われるようになった歴史的推移を解説し、オブジェクト指向の三大要素(クラス化、ポリモーフィズム、継承)についてそのもつ意味を解説しています。

後半では、オブジェクト指向の周辺知識について、一通り網羅的に紹介がなされます。デザインパターンやUML、そして開発手法などです。

最後には、第二版の付録として、関数型言語Haskellの解説がなされています。

この本の肝は、従来の構造化プログラミングの問題点を克服するため、オブジェクト指向が採用されることになった原因や契機を丁寧に解説しているところにあると思います。グローバル変数が悪である理由やモジュールの再利用化等を知ればオブジェクト指向の必然性を理解することが出来ます。

ただし、後半のオブジェクト指向の周辺知識については、おおまかな紹介と解説にとどめられています。そのため、詳細や細部は自分で別に学習する必要があります。

オブジェクト指向を学習し始めた頃に読むと、理解が深まり、知識が広がる一冊です。

オブジェクト指向でなぜつくるのか 第2版

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【書評】Javaのオブジェクト指向がゼッタイにわかる本

Javaのオブジェクト指向がゼッタイにわかる本―最初からそう教えてくれればいいのに! [立山秀利 著]の書評です。

結論から言うと、オブジェクト指向の初心者向けに、クラス、カプセル化、継承、ポリモーフィズムの4点に解説をフォーカスした一冊です。

Javaの基礎文法の解説は無いので、文法重視の入門書を前もって読んでおくと理解がすすみます。

■ 良い点
・ オブジェクト指向の理由やメリットを中心に解説
・ 読み手を意識した噛み砕いた解説
・ 文章が読みやすい
・ 図表が豊富で理解を助ける

■ 悪い点
・ 後半の最後のほうではコードの一部が省略され全体像を掴みづらい

■ 総評

Javaの基礎文法を学んだら、次に読みたいオブジェクト指向の入門書です。だいぶ噛み砕いた説明がなされているので、オブジェクト指向アレルギーの人もスラスラ読めると思います。

オブジェクト指向のツボを押さえた解説であり、カプセル化とアクセサメソッドの利用法や、継承より委譲が推奨される理由、また、継承・抽象クラス・インターフェイスの使い分けなど、なかなか示唆に富んだ内容となっています。

また、解説の重要箇所では、サンプルアプリをダウンロードして、解説事項を動かして体感できるようにもなっています。著者の熱意の伝わる仕様です。

なお、解説で使うコードは簡単なものであり、章が進むにつれ、拡張していくもので読むのに負担になりません。

難を言えば、最後の方で、コードの一部が省略されているため、全体像が掴みにくくなったのが残念です。ただ、ページ数の都合もあって仕方ないのかもしれません。

Javaの基礎文法を終えたら早めに読んでおきたい一冊です。
Javaのオブジェクト指向がゼッタイにわかる本―最初からそう教えてくれればいいのに!

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