【2014年6月改訂】
おすすめ レンタルサーバーの覚書です。有名どころ3つのレンタルサーバーを比較検討します。
自分の覚書も兼ねているので、読者対象は、初級から中級レベルのWEBサイト制作者およびWEBアプリ制作者とします。
対象サイトの規模は、1日あたり1,000ユニークユーザーで10,000ページビューをこなせれば良しとします。これくらいの規模なら、各サーバー会社の低位から中位プランで間に合います。
また、サーバーの機能としては、MySQL(データベース)、CRON(自動実行機能)、SSH(サーバー操作)は是非とも使いたいのでこの点を主な比較要素としています。
■ 比較対象レンタルサーバー・プラン
ここでは、大手3社の次のプランを比較検討します。
1. さくらのレンタルサーバ
(ライト、スタンダード)
2. ロリポップ!
(コロリポ、ロリポ、チカッパ)
3. コアサーバー
及びバリューサーバー
(CORE-MINI、エコ)
なぜ、この3社なのかと言えば、利用者が多い最大手と思われるからです。実際、PHPを扱う書籍でも、この3社を紹介しているものが多いです。例えば、「PHP逆引きレシピ」等。
個別検討する前に、各サーバープランの概要を表にしてみます。
■ サーバー比較表
(年額は税込み概算100円未満切捨て:初期費用別)公式サイトを要確認
プラン | 年額 | MySQL | CRON | SSH |
---|---|---|---|---|
さくら (ライト) |
1,500 | × | × | × |
さくら (スタンダード) |
5,100 | ○(20) | ○(5) | ○ |
ロリポップ (コロリポ) |
1,300 | × | ○(1) | × |
ロリポップ (ロリポ) |
3,200 | ○(1) | ○(5) | × |
ロリポップ (チカッパ) |
6,400 | ○(30) | ○(10) | ○ |
コアサーバー (MINI) |
2,500 | ○(10) | ○(10) | ○ |
バリュー (エコ) |
2,100 | ○(1) | ○(10) | ○ |
( )内の数字は使用できる数で、多いほうが良い。
ここからは、各サーバー・プランを検討していきます。
■ さくらインターネット・レンタルサーバー
まずは、さくらインターネットから検討していきます。さくらインターネットのイメージは、「真面目なサラリーマン」といった感じでしょうか。サポートおよび運営がしっかりしている印象です。確か上場している企業で、官公庁の利用も多いとか。
レンタル・サーバーとして、初中級者に向くプランとしては、ライトプラン、及び、スタンダードプランがあげられます。
● さくらインターネット・ライト
価格:年額約1,500円(月額約130円)[初期費用:約1,000円]
※公式サイト要確認 さくらのレンタルサーバ ライト
さくらインターネットでは、ライトプランが一番安いのですが、機能が制限されるのが欠点です。使えない機能が結構あります。たとえば、シェルログイン(SSH)や自動実行機能(CRON)、データベースであるMySQLなどは現時点では使えません。MySQLが使えないと、残念ながらWordPressも使えないことになります。
もっとも、静的なサイトの構築はもちろん、PHP+SQLite等で動的なサイトを構築することは可能です。
● さくらインターネット・スタンダード
価格:年額約5,100円(月額約500円)[初期費用:約1,000円]
※公式サイト要確認 さくらのレンタルサーバ スタンダード
さくらインターネットのライトプランでは機能が制限されがちなため、ある程度に作りこむサイトやWEBアプリを作るならスタンダードプラン以上が必要となります。
スタンダードプランでは、SSH、CRON、MySQL等の機能が使えてWordPress等も構築できます。ただし、価格がライトプランの約3倍になってしまい、この点が欠点です。
とはいえ、価格相当の優良サービスであり、利用者も多いと思われます。
■ ロリポップ・レンタルサーバー
次に、ロリポップを検討していきます。ロリポップのイメージは、「サークル活動」といった感じでしょうか。昔から、「ナウでヤングなレンタルサーバー」を売りにしています。学生や若い女性をターゲットにしてきた印象です。
レンタル・サーバーとして、初中級者に向くプランとしては、コロリポプラン、及び、ロリポプランがあげられます。
● ロリポップ・コロリポプラン
価格:年額約1,200円(月額約100円)[初期費用:約1,500円]
※公式サイト要確認 コロリポプラン 詳細はこちら
ロリポップで一番に価格が安いのは、このコロリポプランです。さくらのライトプラン同様、SSHやMySQLは使えませんが、ここでは、CRONが一つだけ使えます。この点が差別化されている特長でしょうか。
ただし、初期費用が若干高めなのが欠点といえば欠点です。とはいえ、長期利用すると月額単価が安い分だけお得ともいえます。
● ロリポップ・ロリポプラン
価格:年額約3,000円(月額約250円)[初期費用:約1,500円]
※公式サイト要確認 ロリポプラン 詳細はこちら
ロリポップの中で中位プランといえるロリポプランですが、CRON、MySQLが使えるものの、SSHが使えない仕様となっています。SSHが使えるとLinuxコマンドを発行してサーバーを楽に操作できるので、使えないのは欠点といえます。また、MySQLも1個だけ使えるのですが、できれば複数使いたいものです。さくらのスタンダードだと20個まで使えるのと比較すると力不足は否めません。
ただし、価格は、さくらスタンダードの60%ほどであり、この点は、魅力的といえます。
また、ロリポップは、前述のように、学生や若い女性をターゲットにしてきたこともあり技術的な要素よりもサポート等において初心者向きなのかもしれません。
● ロリポップ・チカッパプラン
チカッパプラン 詳細はこちら
なお、ロリポプランの上位ブランである「チカッパプラン」では、SSH、CRON、MySQL等の機能が十分使えます。年額約6,000円(月額約500円)[初期費用:約1,500円]であり、このプランが、さくらのスタンダードと同レベルといえそうです。
■ コアサーバーおよびバリューサーバー
次に、コアサーバーおよびバリューサーバーを検討していきます。コアサーバー等のイメージは、「マニアック」といった感じでしょうか。サーバーの操作等においてサポート頼りではなく、自力で解決しなければならない印象があり、昔は、玄人向けのサーバーといった感じでした。
● コアサーバー・CORE-MINIプラン
価格:年額約2,500円(月額約210円)[初期費用:約500円]
※公式サイト要確認 コアサーバー
コアサーバーで最も低位なプランがこのCORE-MINIプランです。さくらのライトやロリポップのコロリポよりは価格が高いですが、なかなかの機能がそろっています。
SSH、MySQL(10個)、CRON(10個)等を使うことができます。つまり、さくらのスタンダードやロリポップのチカッパ等とほぼ同等の機能が約半額で利用できます。この点は魅力的です。
ただし、前述のようにコアサーバーは若干操作が分かりづらい玄人向けといった感じなので、自力で問題を解決する必要が出てくることがあります。もっとも、ネットで調べれば大抵のことは解決できるのですが。
● バリューサーバー・エコプラン
価格:年額約2,100円(月額約180円)[初期費用:約1,000円]
※公式サイト要確認 バリューサーバー
コアサーバーの上位互換サーバーとして最近、登場したのが、バリューサーバーです。主な違いは、サーバーソフトウエア等が比較的最新のものがそろっている点があげられます。その中で一番の低位プランがエコプランです。
エコプランの特徴としては、ほぼコアサーバーのCORE-MINIと同等でありながら、価格が安いこと、そして、ソフトウエアが新しいことが挙げられます。ただし、欠点としてMySQLが1個、PostgreSQLが1個ずつしか使えないという点があげられます。CORE-MINIが10個ずつ使えるのと比較するとこの点は欠点といえます。
■ 結論
自分は、上記の各サーバーの特徴を比較検討して、現在、コアサーバーのCORE-MINIプランを複数台、利用しています。
さくらのスタンダードも魅力的ですが、その料金で、CORE-MINIを2台借りることができます。1台をメインサイトの構築にあて、2台目は、サブサイトの構築やメインサイトのデプロイサーバー(準備サーバー)として運用しています。サーバー間のデータのコピーが「サーバー間コピー」という機能で簡単にできるので、複数台運用しても管理が楽にできます。
もっとも、アクセス数が増えてサーバーの負荷が高くなってきたら、より上位のプランであるCORE-Aプランや、さくらのスタンダードに移転することも考えています。
【後記】
CORE-MINIを借りていたのですが、夜間に不安定になることが続いたので、さくらのスタンダードに移りました。こちらは、ユーザーの管理がしっかりしているようで、そこそこ安定しています。ただ、最近では、ページビューがらみのリクエスト数が増加したこともあり、503エラー等がちらほら目立ってきたので、今後は、より高機能・高性能と評判である エックスサーバー
への移転を検討しています。
CORE-MINIが、月額約250円、さくらスタンダードが、月額約500円、エックスサーバー
の10プランが、月額約1,000円となりますが、アクセス数の増加に伴うスケールアップとしては、この順がオススメだと思います。
更に将来的には、さくらのVPS
等を借りて、サーバー構築しながらサイトを運用してみたいものです。
以上です。