論理トレーニング101題 の書評です。
結論から言うと、「国語的な論理」を学習するのにとても効果的な一冊です(記号論理学は扱われていない)。
■ 良い点
・ 論理と国語の良い勉強になる
・ 解説が分かりやすく読みやすい
・ 問題文が厳選されている
・ クイズ感覚で楽しく読み進められる
・ 読む場合、書く場合、議論する場合に応用できる
・ 全部で5章あり、それらの構成と内容がしっかりしている
■ 悪い点
・ 解説が少々微妙な箇所がある
■ 総評
論理学の著書で有名な野矢茂樹氏の論理トレーニング本です。
内容的には、論理学というより、やや「国語的な論理」を学習するものとなっています。全体的に解説が丁寧で平易に書かれているので、論理学の知識がなくてもクイズ感覚で楽しみながら読み進められます。
もっとも、多少の論理学の知識があればより理解が深まるでしょう。もし、前提知識として何か学習したいならば、野矢氏による、 入門!論理学 (中公新書) を読むのをおすすめします。
なお、比較的、考えさせる問題が多いので、斜め読みをするのではなく、腰をすえてジックリと取り組むのが良いでしょう。問題に対して集中して深く考えるほど、論理の力がつくはずです。ちなみに、ゆっくり読んでも、1日に1章のペースで読めば、全5章なので、5日ほどで読了が可能です。
できるだけ早い時期、若い歳の頃に読んでおきたい一冊です。