【書評】C++の絵本 アンク(著)

C++ の絵本 アンク(著)の書評です。

良い点

  • 図やイラストが分かりやすい
  • 構成が見開き2ページ単位でスイスイ読める
  • C++の知識を俯瞰するのに丁度よい

悪い点

  • 図やイラストが豊富な代わりに、文章の説明が足りない
  • C言語の基本文法の説明はない

C++の絵本は、Cの絵本の続編となっています。そのため、C言語の基礎である変数・条件分岐・繰り返し・配列・ポインタといった基礎事項は解説されていません。

その代わり、クラスとオブジェクト指向についての解説が厚くなっており、C++の特徴が多く解説されています。

できれば、Cの絵本とセットで読むのがお勧めです。

絵本シリーズの一冊ということで、図やイラストが豊富に用いられて分かりやすくなっています。しかし、その分、文章での説明が簡素になっており、ある程度の知識がないと、消化不良をおこすかもしれません。

C++の基礎は一通り解説されているので、ざっとC++の特徴を俯瞰するのに向いていると思います。

分量的には、約170ページあります。内容が平易なので、前提知識があれば、3~4時間くらいで読み終わります。

C言語初心者が、入門書を2、3冊読むとするなら、ピックアップしたい一冊です。

C++ の絵本

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【書評】基礎PHP 改訂3版

基礎PHP改訂3版 WINGSプロジェクト、高江賢、森山絵美、風田伸之、山田奈美(著)山田祥寛(監修)

この基礎PHPですが、良い意味でも、悪い意味でも“基礎”だけではないです。中級レベルの応用も多く取り入れられています。

全くのプログラミング初心者にはハードルが高いです。多分、理解できないことが多いと思います。逆に、PHP既習者や他言語既習者には、内容がてんこ盛りな分、お得といえます。

良い点

  • PHPに関する多くのトピックを幅広く扱っている
  • 図が多く理解を助ける
  • PHP5.3の新機能の紹介など知らなかったトピックも扱われている

悪い点

  • 広範囲を詰め込んでいるので、説明不足な点もある
  • 基礎であるPHPネイティブな利用法の解説が少ない

この本の思想としてオブジェクト指向やライブラリの利用に重点を置いていることが感じられます。たとえば、データベースの使用にはPDOが使われています。また、ライブラリ集であるPearの解説も厚くなっています。最後のサンプルアプリでは、ZendFrameworkを利用した掲示板作成となっています。

監修の山田祥寛氏は、著書も多く、特に、ライブラリやフレームワーク関連の書籍が多いことからも、彼の著作の特徴として、基礎よりも応用であるライブラリやフレームワークを多く扱う傾向が見受けられます。

これはPHP既習者には、多く役立つ反面、基礎を期待した初心者には荷が思いとも感じられます。

この『基礎PHP』でも、中盤以後は、PDO、Pear、Smarty、ZendFrameworkなど応用的なトピックが続きます。

業務で上記テクニックが必要な人や自分のサイトにこれらを取り入れたい人にはお勧めの一冊となりますが、プログラミング初心者はPHPのネイティブな機能が多く解説されている別の本の方が役立ちそうです。

改訂3版 基礎PHP

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XAMPPをインストールしてPHPの環境を構築

PHPの開発環境として有名なのがXAMPPです。

XAMPPを利用すると、Apache、PHP、MySQLを一度にインストールすることができます。

それでは、早速、インストールしてみましょう(Windows用)。
(※ 念のため、インストールは自己責任でお願いします。当サイトでは責任を負えません)

まず、XAMPPの配布先である公式サイトを探します。
『XAMPP インストール』で検索。

XAMPP公式配布サイト

現在、公式は、http://www.apachefriends.org/jp/xampp-windows.html です。

アクセスすると、XAMPPのロゴがあります。現在の最新版は、1.7.3です。

XAMPPトップページ

ページをスクロールするとダウンロードの表示があります。

XAMPPダウンロード

ダウンロードするのは、一番上の □XAMPP です。インストール方法は、A方式のインストーラを使っての方法になります。

□XAMPPをクリック。

XAMPPベーシックパッケージ

XAMPPのベーシックパッケージ1.7.3のEXEをクリックします。

すると、オープンソース配布サイトにページが移動します。あわてず、ここからダウンロードします。

sourceforge.net/projects/xampp/

Vistaなどで、自動でダウンロードが始まらない場合は、警告を右クリックしてダウンロードを開始します。保存をクリック。

XAMPPダウンロード表示

ダウンロードには、環境により、2~3分くらいかかります。

ダウンロードが完了すると、デスクトップにEXEファイルのアイコンができているので、クリックします。

xamppのアイコン

すると、次の表示が現れます。

XAMPPインストール表示

通常のインストール場所は、C:¥です。たしか、C 直下が推奨されていたはずです。

C:¥であることを確認して、Installをクリック。するとインストールが開始します。そして、最後にコマンドプロンプトが表示されます。ここでビックリしないように。

XAMPPコマンドプロンプト

最終行にyes/noの質問があるので、それに答えます。

上の画像では、デスクトップにショートカットを作るかをたずねられています。デフォルトでyが表示されているので、yを選択します。

以下、5~6個ほど、同様の質問が続きますが、デフォルトの回答をそのまま選択して、エンターキーを押して決定していきます。以下、いくつかピックアップして確認します。違う画面がでてもエンターを押していけばOKです。

XAMPPパス

パスは正しいはずなので、yをそのまま選択

XAMPP準備完了

準備が出来た模様。リターン(エンター)キーで決定。

XAMPPタイムゾーン

タイムゾーンがAsia/Tokyoになっていることを確認してリターン。

XAMPPコマンド終了

この表示が出ればインストール完了目前です。xを選択して終了します。

すると、デスクトップにXAMPPコントロールパネルのアイコンが作成されます。

XAMPPコントロールパネルアイコン

アイコンをクリックすると、XAMPPのコントロールパネルが表示されます。

XAMPPコントロールパネル

XAMPPを起動するには、Apache をスタートさせます。Startをクリック。ついでに、MySQLもStartさせます。

XAMPPスタート

スタートすると、Runningと表示され、Adminから管理画面に入ることができます。

ApacheのAdminをクリック。

XAMPPトップページ

上のような表示がされたら、上手くインストールできています。

右端のリンクから日本語を選びクリックします。

XAMPP正常インストール

上記の表示がされれば、正常インストール完了です。

左メニューの下の方のphpMyAdminをクリックすると、phpMyAdminに入ることが出来るはずです。

phpMyAdmin

上の画面が表示されれば、phpMyAdminも正常にインストールされています。

ここまで出来れば一息つきたいところですが、ここで大切なことがあります。

重要なのが、セキュリティの設定です。XAMPPトップ左メニューのセキュリティをクリックすると現在のセキュリティ状況が表示されます。

XAMPPセキュリティ

一番上の要注意が、ネットワーク経由アクセスの注意点です。2番目は、MySQLのパスワードが未設定の注意点。3番目は、phpMyAdminのパスワードが未設定なため赤で警告されています。この3点を修正していきます。

セキュリティ画面の下記リンクをクリックします。

XAMPPセキュリティ修正

すると、パスワード設定画面が開きます。

MySQLセキュリティ設定

任意のパスワードを設定します。ちなみに、ユーザーはrootとなっています。

XAMPPディレクトリ制御

XAMPPのディレクトリ制御には、ユーザとパスワードが必要になります。任意のものを設定していきます。パスワードは忘れないように。

ユーザとパスワードの設定をしたら、一度、開いていたページを閉じて、コントロールパネルに戻り、Apache、MySQLともに、Stopを選択して一度終了します。

そして、再度、コントロールパネルから、StartしてAdminとしてXAMPPを起動します。

すると、今度は、パスワードを求められるはずですので、先ほど記入したユーザとパスワードを入力します。

そしてXAMPPトップから、再度、セキュリティをクリックして、セキュリティ状況を確認します。

XAMPPセキュリティ完了

先ほど要注意だった3ヶ所が安全に変わっています。これで、セキュリティは一応OKです。

ここまで来ればひと段落です。だいたいここまでで小一時間くらいかかるでしょうか。

残りは、PHPの初期設定の変更があります。一休みしたらPHPの設定もしましょう。

まず、自分のコンピュータのCフォルダを開きます。

XAMPPのフォルダ

XAMPPのフォルダがあるのを確認しましょう。ここから、PHPの設定ファイルphp.ini を探して、変更を加えます。主な目的は、日本語対応にすることと、パスの設定です。

xampp/php と入っていき、php.ini ファイルを見つけます。

php.ini ファイル

このファイルをテキストエディタで開き編集していきます。行番号が表示されるエディタがお勧めです。全部で2,000行ほどありますが、変更するのは、10個ほどです。行番号で確認するか、文字検索で該当箇所を探します。

以下、変更箇所を変更後で列挙していきます。左は行番号。先頭のセミコロンは外します。外さないと変更が反映されません。

262:output_buffering = On

777:default_charset = “UTF-8”

796:include_path = “.;C:\xampp\php\PEAR;C:\xampp\php\includes”

1774:mbstring.language = Japanese

1780:mbstring.internal_encoding = UTF-8

1784:mbstring.http_input = auto

1789:mbstring.http_output = pass

1797:mbstring.encoding_translation = Off

上記箇所を変更したら、上書き保存します。

その後、もう一度、スペルミスや、セミコロンの外し忘れがないか確認しましょう。

設定を終えたら確認します。XAMPPトップページの左メニューからphpinfo()をクリックします。すると、PHPの設定状況がズラズラと表示されます。

その中から日本語設定に関係のあるmbstringの項目を探します。設定項目はアルファベット順なので、だいたいページの中ほどにあります。

php.ini編集後

上記箇所が、UTF-8、および、Japneseとなっていれば反映されています。

これで設定は終了です!お疲れ様でした。

さて、これで、本当に自分のパソコンがローカル環境となりPHPを使えるようになったのでしょうか?これも確認してみましょう。

どうやって確認するかというと、XAMPPの公開フォルダである、htdocsフォルダに簡単な自作のPHPファイルを置いて実際に、PHPとして動かしてみます。

ファイルを置く場所は、

c:\xampp\htdocs です。

xampp/htdocs

以下のような、test.php を作成し、このhtdocsの中にテストファイルとして置いてみましょう。

test.php

<?php
echo "XAMPPでHello World";
?>

たったの3行ですが、PHPが正常に動けば、

XAMPPでHello World

と表示されます。テキストエディタでtest.phpを作成してみましょう。

テキストエディタでPHP

作成したら、先ほどの htdocs フォルダに移動させます。

そして、http://localhost/test.php

とブラウザのURL欄に入力してエンターを押します。

XAMPPの利用法

このように、文字列だけが表示されればPHPは正常に動いています。

あとは、このファイルと同様に、通常のサイト用のフォルダを設置してサイトを構築すれば、ローカルでPHPを利用したサイト管理ができるようになります。

PHPのスクリプトを作成したら、一度、このローカル環境であるhtdocsにおいて確認してから、公開サーバーにアップロードするのが、PHP開発の基本となっています。

最後に、XAMPPを終了するには、コントロールパネルからStopを選択してApache、MySQLを停止して、最後にExitを押して終了します。

以上です。

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【書評】新・これならわかる Java

新・これならわかる Java 小林健一郎(著)

Java本の5冊目のレビューです。

良い点

  1. 文法書とは異なる視点での解説
  2. 簡単なゲーム作成など興味を持って読める
  3. ウインドウプログラミングの解説あり

この本の特徴は、個々の文法の解説ではなく、簡単なゲームなどのアプリ作成を通じてJavaの基礎を学ぶという点にあります。

そのため、Java本の一冊目として読むより、一通り基礎を押さえた後の発展学習として利用するのがお勧めです。

実際にプログラムを作ってみることで、基礎的な文法が活きてきて、わかりやすく、より理解が深まります。また、プログラミングの手続きや処理といったアルゴリズムの勉強にもなります。

更に、多くの入門書がコマンドラインからのプログラミングに終始しているのに対し、この本では、実際にウインドウを表示させる解説もあり、よりアプリケーションの作成に近くなっています(ただ、簡易的なものなので更なる知識は必要)。

普通の入門書でのコマンドラインとのにらめっこに飽きたら、この本を読むと楽しめるはずです。

ちなみに、この本のシリーズで『新・これならわかるC++』があります。Java本と一部、内容が重複していますが、両方を読んでみる価値があると思います。

新・これならわかる Java

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PHPをホームページビルダーで使う方法

ホームページビルダーって、PHPを使えるの?

これに対する答えは、『PHPを使っても問題ない』です。

結論を言うと、サーバーがPHPに対応していて、自分でPHPスクリプトを書ければ、ビルダーのソースにPHPコードを埋め込み、ファイルをアップすることでPHPを利用できるということになります。

具体例

まず、ビルダーの『HTMLソース』の編集画面を開きます。
そして、ソースの編集で下のようにHTMLにPHPスクリプトを書き加え、サーバーにファイルをアップするとPHPが動きます。

<html>
<head>
</head>
<body>
<?php
echo "ホームページビルダーでPHPを利用";
?>
</body>
</html>

もう少し詳しく説明します。必要なのは以下の2点です。

  1. ファイルをアップするサーバーがPHPに対応していること
  2. PHPの最小限の知識があること

まず、1ですが、PHPがサーバー上で動作するものである以上、サーバーがPHPに対応している必要があります。

有料のレンタルサーバーでは多くのところがPHPを導入しています。しかし、プロバイダーが提供するサーバーや、無料レンタルサーバーではPHPを導入していないことが多いです。

ホームページビルダーうんぬんの前に、利用するサーバーがPHPに対応しているかを確認するのが先です。

2についてですが、ホームページビルダー自体は、なんらPHPをサポートしていません。『かんたんページ作成』のようなPHPの入力支援機能はありません。自分でPHPスクリプトを書く必要があります。

また、ビルダーにはサーバーの機能はないので、ビルダー上でPHPの動作の確認をすることはできません。『ページ編集』画面では、PHP部分は『?』マークになってしまい解釈されません。サーバーにアップして確認するか、XAMPPというローカル環境を構築して確認する必要があります。

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