入門!論理学 の書評です。
結論から言うと、論理学における、記号や式を使った「教科書」ではなく、わかりやすい日本語文章を使った「入門書」です。
■ 良い点
・ 論理学の基本がコンパクトにまとまっている
・ 記号や式が苦手な人でも読める
・ 文章が親しみやすい文体である
・ ド・モルガンの法則や「逆・裏・対偶」等に詳しい
・ 命題論理、述語論理の説明が一応完結している
・ 複雑な箇所もあるが最後まで読み通せる
■ 悪い点
・ 説明が冗長な箇所がある
・ ベン図などの図表がない
■ 総評
『入門!論理学』というタイトル通り、初学者レベルの論理学の入門書です。親しみやすい文体で、著者のウイットに和みながら最後まで読み通せます。
記号や式をなるべく使わず、日本語の文章で説明するというスタンスで書かれた書籍であるため、数学等に苦手意識のある人でも読了できます。
論理学の基礎的な概念である、「否定・かつ・または・ならば・すべて・ある」等が記号を使わず日本語で易しく解説され、また、「ド・モルガンの法則」や「逆・裏・対偶」等にも詳しいので、論理学の入門者にとってはありがたい書籍です。
ただ、2値論理と3値論理の区別の説明にいささか冗長さがあり、また、証明等においては、よく読み込まないと難しいところもあります。
全体として、論理学の基礎がコンパクトにまとまっているので、論理学のとっかかりとして最適だと思います。