CODE COMPLETE 第2版 上 の書評です。
結論から言うと、コーディングおよびプログラミング全般のトピックを網羅的かつ詳細に扱う古典的な一冊です。
■ 良い点
・ トピックが広範で網羅的
・ 設計およびコーディングの指針とヒントが充実
・ 章や節ごとの「まとめ」と「チェックリスト」が役立つ
・ 参考文献の紹介が詳しい
■ 悪い点
・ 本が厚くページ数が多いため学習コストがかかる
・ 解説が詳細な反面、冗長である
・ 翻訳は良いが読解力を要する
・ 用語の意味や定義が曖昧な箇所がある
■ 総評
2005年3月出版の第2版です。原著の初版は1993年の出版であり、実質的に約22年前の書籍です。いい意味でも悪い意味でも古典となった一冊といえます。
「CODE COMPLETE」の名の通り、コーディングおよびプログラミング全般についての指針とヒントに溢れています。もっとも、出版当時は、斬新であったであろう主張も、現在では当たり前となっているものも多く、悪く言えば、冗長に解説がなされている印象を受けます。
上巻だけで実質550ページ、下巻と合わせると1000ページを超える書籍のため、読む側において、内容を取捨選択する能力及びポイントを押さえる能力が必要です。もっとも、章や節ごとに「まとめ」や「チェックリスト」があるのでこれらを押さえるだけでも勉強になります。小学生がする様に、最初の1ページから最後のページまで一文字ももらさず全部を読もうとするとかなりの負担となるでしょう。コンパクトさで言えば、「リーダブルコード」の方が楽に読めるので良いかもしれません。
プロ中のプロを目指すプログラマーには必読の書籍かもしれませんが、一般のプログラマーであるなら、時間のあるときに読み物としてざっと目を通すくらいでよいかもしれません。