PHPとMySQLのツボとコツがゼッタイにわかる本―最初からそう教えてくれればいいのに! [横山 達大 著]の書評です。
結論から言うと、PHPとMySQLの連携に重点を置き、CRUDシステムを学習しながら「売り上げ管理システム」を実践的に作成していく入門書です。
■ 良い点
・ PHPとMySQLの連携を重点的に解説
・ CRUDを丁寧に解説
・ PDOを使用
・ サンプルコードの省略が少な目
・ 最後の作成アプリにもコードが全文有り
・ クラスの解説あり
・ 環境構築の解説も比較的厚い
■ 悪い点
・ セキュリティは範囲外
・ HTMLタグの属性がシングルクォート
■ 総評
PHP及びMySQLを使って「売り上げ管理システム」WEBアプリを作成していく入門書です。対象は、プログラミング初心者となっており、だいぶ易しい演習書です。文法書ではなく、演習書です。できれば前提知識として、一通りのPHP文法の基礎知識があることが望ましいです。
基礎的なことから順を追ってポイントを押さえながら解説が進んでいきます。カエルの挿絵を使い、先生役と生徒役の会話形式で話が進みます。
形式面では、「サンプルコード」、「エディタ上のコード」、「ブラウザ画面」のそれぞれが逐一、大きめに表示されるのでとても読みやすく感じます。
内容面では、HTMLとPHPコードの分離を意識して、またクラスを使用し重複コードを回避するなど、学ぶべき点も多いです。CRUDの解説にも厚いので、SQL初心者にも易しいと思います。
まったくの初学者には、クラス等はきついかもしれないので、一通りPHP文法を学習した後に読んだ方が良いかもしれません。
最後の章では、「売り上げ管理システム」を実際に作成していきます。ここでは、コードの省略がなく全文掲載されているのがとても良いと思います。ただ、クラスを使いオブジェクト指向的な内容になるので、少しハードルが高くなるかもしれません。OOPに取りかかりたい人にはお勧めです。
なお、本書は2014年12月出版で比較的新しく、環境は、PHP5.5、MySQL5.6、XAMPP1.8.3となっており、phpMyAdminやエディタとしてNotepad++を使用しています。
ちなみに、P199あたりで、GoodsIDをpタグにする箇所では、hiddenタグとして残すべきだと思ったのですが、自分の勘違いかもしれません。
[後記]書籍の補足情報に当該記述がありました。