ゼロからわかる オブジェクト指向超入門 [河合昭男 著]の書評です。
結論から言うと、タイトルそのままの、オブジェクト指向の「超」入門書です。短時間でオブジェクト指向の基礎を学習できます。クラスとオブジェクトの知識が少しだけでも有る人なら1日あれば読了できて基礎を身に付けられます。
■ 良い点
・ 基礎の基礎から学べる
・ UMLの基礎の解説も有り
・ サンプルコードが簡潔でわかりやすい
・ インターフェイスの解説が良い
■ 悪い点
・ 本文の助詞「を」等の使い方に若干違和感
■ 総評
内容的には、本当に基礎のところからオブジェクト指向を解説しています。言語はJavaですが、他の言語しか知らなくても何とかなりそうです。
前半はオブジェクト指向全般とUMLについて、後半はクラスや関連、カプセル化、継承、多態性、抽象クラス、インターフェイス等となっています。
前半部分は、自分的には、少し分かりづらかったかも。いわゆる、世のすべての「もの」はオブジェクトであるという解説の仕方です。人も犬もオブジェクトだよという感じの解説。その後のUMLの部分は、逆に分かりやすい。初めてUMLの用語と図を見ましたがすんなり理解できました。
後半部分は、読みやすく解説も分かりやすいです。後半になればなるほど、分かりやすく感じる本でした。カプセル化と継承あたりもだいぶ分かりやすいですが、その後の多態性、インターフェイス等の説明は秀逸です。ここら辺で理解につまづく人なら是非お勧めです。
もっとも、オブジェクト指向の「超入門」の解説なので、デザインパターンまでは扱われていません。
本の体裁自体は、大型本で読みやすく、ページ数は200ページほどと苦にならない量です。ゼロがらオブジェクト指向プログラミングを始めたい人にお勧めの一冊。