10日でおぼえるPHP5入門教室 第2版 山田祥寛(著)の書評です。
良い点
- いくつかの小さなアプリ作成を通じて実践的に学べる
- 『実行画面→操作手順→解説』と構成が一貫している
- 図やイラストが多く、文章の説明もわかりやすい
- セキュリティの要所を押さえている
悪い点
- 初心者には後半から難しくなる
総評
この本の第1版(2005年出版)を以前に読んだことがあるのですが、第2版になり、読みやすさ、内容ともに改善されている印象を受けました。
レベル的には、初級から中級といったところでしょうか。
著者である山田氏のPHP本の特徴である、基礎からオブジェクト指向、ライブラリまで扱う方針がこの本にも取り入れられています。範囲が広いので、初級者には、ちょっとハードルが高いかもしれません。
もっとも、カバーする範囲が広いながら、内容的には、密度の濃いものに仕上がっています。説明もわかりやすく丁寧なので好印象です。
この本で学べる内容としては、PHPの基礎以外にも、HTTP、XML、PDO、PEAR AUTH、PEAR HTML_AJAX、Smarty、など広範に渡ります。それでいて、解説の内容もなかなか充実しているので、勉強になります。
文法書を一通り終えたPHP学習者がこの本に取り組むとレベルアップを感じられそうな一冊です。
追記
第9章では、オブジェクト指向を勉強するのですが、このあたりは、Java、あるいは、C++のオブジェクト指向を勉強していないと正直、本質から理解するのは難しいと思います。
使い方がわかればそれで良いといえばそれまでなのですが、一度、Java、C++のやさしい入門書で、オブジェクト指向に目を通しておくと理解度が全然違ってきます。