プリンシプル オブ プログラミング3年目までに身につけたい一生役立つ101の原理原則 の書評です。
結論から言うと、プログラミングをする上で必須となる多数の原理・原則を網羅的に取り上げて要約した書籍です。
■ 良い点
・ 多数の名著のエッセンスを要約で読める
・ プログラミングの有名な原理・原則がほぼ網羅されている
・ プログラミングの有名な思想・哲学を学習できる
・ 各節がコンパクトで読みやすい
・ 構成が一貫しているので読みやすい
・ 見出しを拾い読みするだけでも役立つ
■ 悪い点
・ 特になし
■ 総評
プログラミングをする上で必須となる原理・原則を網羅的に多数取り上げて要約した書籍です。多くの名著からの引用的な紹介であり、難解な原著を読む手間が省け、コストパフォーマンスに優れた書籍です
もっとも、各原理・原則は、抽象的な紹介となっているため、具体的なコードはほとんど紹介されていません。そのため、アマゾンのレビューなどを見るとこの点を不満に思う読者もいるようです。
しかし、本書の肝要な点は、各原理・原則を抽象的に要約し、網羅的にエッセンス化した点にあるので、抽象的なスタイルで一貫しているのはとても評価できると思います。
具体的なコードが無いから理解できないという人は、まだ学習が足りていないので、
・ リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)
・ オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン
・ 新装版 リファクタリング―既存のコードを安全に改善する― (OBJECT TECHNOLOGY SERIES)
などの代表的な名著の原作を併用しながら読むことをお勧めします。
本書においては、引用された原理・原則の出典が明示されているので、より深く理解したい人は原著を求めて学習すればより効果的でしょう。ただ、各原著は難解なものが多いので、本書のようなまとめ的な書籍が価値の高いものになるのだと思います。
プログラミングの初心者にもベテランにもお勧めの一冊です。ただし、オブジェクト指向とデザインパターン、リファクタリングあたりの前提知識は必要です。