苦しんで覚えるC言語 の書評です。
結論から言うと、C言語の基礎を掘り下げて、より深く理解するための入門書です。
■ 良い点
・ 基礎知識を掘り下げており、解説のレベルが深い
・ 英字の単語や構文の意味と読みが欄外で紹介されている
・ サンプルコードが短く簡単で理解しやすい
・ コードと実行結果が省略されずに示されている
・ 練習問題(読み取り・書き取り等)で理解が深まる
■ 悪い点
・ コードの具体例があまり実用的でない
・ 本の大きさが一般的でない
■ 総評
C言語の入門書のタイトルには、「やさしい」とか「簡単」あるいは、「サルでもわかる」といったフレーズが付けられることが多い中、本書は、その真逆をいく「苦しんで覚える」というキャッチコピーで一躍注目を集めた書籍です。
もっとも、「苦しんで覚える」というフレーズが文字通りかというとそうでもなく、著者が苦心してわかりやすく基礎の基礎から解説してくれているので、わかりやすい解説書となっています。実際、「Hello, world」を出力するまでに、60ページ以上も使用しています。
ただし、既にC言語を学習したものにとっては、いくらか冗長な解説も多いので、既習者は、配列やポインタの章から読むのでも十分だと思います。なお、個人的には、最後の方の章にある「動的配列」の理解が深まったのが大きな収穫です。
本書は、所々に難しい箇所もあるので、まったくのC言語入門者であるならば、「やさしいC 第4版 (「やさしい」シリーズ)」などでC言語の基礎を学習し、理解を深めるために、2冊目以降に本書を読むことをおすすめします。