やさしいC++ 第4版 の書評です。
結論から言うと、とてもわかりやすいC++の入門書です。最初に読むC++本として最適な一冊。
■ 良い点
・ コードの例やその説明が簡単でわかりやすい
・ 基礎的な文法は一通り網羅されている
・ コードの省略がなく、結果の表示も掲載されている
・ 章ごとのまとめやチェックポイントが良い
・ 章末の『練習』で復習として知識の確認ができる
・ 他のシリーズ本と重複の箇所があるため学習コストが低い
■ 悪い点
・ 特に無い。あえて言えば、文章に平仮名が多い
■ 総評
高橋麻奈さんによる、有名な『やさしい』シリーズのC++本です。
内容的には、C++の一通りの文法が網羅されています。いわゆる難関とされる、「ポインタ」や「クラス」について、十分わかりやすく説明されています。ただ、C++は範囲が広いので、ページ数が若干多く、560ページほどあります。
自分がこの本を選んで読んだ理由は、いわゆる「デザインパターン」に関するGoF本を読むためでした。C++で書かれ難解とされるGoF本も、この「やさしいC++」の知識でほぼ読了することができました。その点で、十分に満足できた一冊です。
なお、本書は、「やさしいC 第4版」や「やさしいJava 第5版
」などと構成がほぼ同じで、説明も重複している箇所があります。この点は、学習コストが下がって得と捉えるか、内容が重複しているため損と捉えるか、人によって異なるかもしれません。自分は学習コストが下がる方が良いので、この点は、得と考えます。
これからプログラミングを始める人は、やさしいシリーズの「やさしいC」と「やさしいJava」そして、本書「やさしいC++」を併せて読むと言語間の違いが理解できるとともに、学習コストを抑えられるので良いかもしれません。
また、C++がわからないため、GoFのデザインパターン本を読むのを躊躇している人にもお勧めの一冊です。