44のアンチパターンに学ぶDBシステム の書評です。
結論から言うと、データベースの設計や運用において、やりがちな悪いパターンを初心者にもわかりやすく、上手くまとめた一冊です。
■ 良い点
・ 各アンチパターンが適度な量にまとまっている
・ 構成が一貫していて読みやすい
・ 図表がわかりやすい
・ 実務的なトピックが多い
・ 著者の体験談が参考になる
・ 人や組織によるアンチパターンも扱われている
■ 悪い点
・ 特に無し
・ あえて言えば上級者には少し物足りないかも
■ 総評
DBシステムに重点をおいたアンチパターン集です。44のトピックが3~5ページほどにまとめられていて、スラスラと読むことができます。初心者にもわかりやすい解説がなされていて、DBシステムの定石をあまり知らない初心者向きと言える一冊です。
ちなみに、著者は、Oracle関連の人なので、DBはOracleが念頭におかれています。ただ、DBに依存しない解説となっているので、MySQL等でも通用する内容になっています。
内容的には、DBシステムに重点をおいているため、SQLの解説は少なく、設計や保守管理等の解説が多くなっています。最後の編では、人や組織にまつわるトピックも扱われており参考になります。
著者の実体験にもとづく、「挿話」といった経験談が、ちょっぴり皮肉が効いていたりして飽きずに最後まで読み通せます。
初心者が早めに読むと、後々困らなくなる予防薬的な一冊です。