テスト駆動開発 (アジャイルソフトウェア開発技術シリーズ・応用編) [設楽秀輔 著]の書評です。
結論から言うと、テスト駆動開発の初心者でもよく理解できる、コンパクトにまとまったテスト駆動開発に関する書籍です。
■ 良い点
・ コンパクトにまとまっている(約200ページ)
・ TDDの思考の順序がわかりやすい
・ 具体例とコードが上手く示されている
・ コードの省略が少ない
・ 内容の構成がしっかりしている
・ 節が細かく読みやすい
■ 悪い点
・ 特に無し(あえて言えば索引が簡素)
■ 総評
はじめてテスト駆動開発(TDD)に関する書籍を読んでみましたが、本書は、TDDの初学者にもわかりやすいおすすめの一冊です。
最初はTDDの概要が示され、red->green->refactoringと繰り返す手順や、HowではなくWhatの思考が必要なことなどが述べられています。その後の章においては、具体的なコードとストーリーを通してTDDを学べるので理解が深まります。
第2章では、シンプルなTDDが示され、第3章では、複数チームによるTDDが示されています。ページが進むにつれ応用的な内容になりますが、わかりやすく丁寧な説明が続くので、消化不良をおこさずに最後まで読むことが可能です。
前後でコードの変更がある場合でも、削除部分をコメントアウトで残してくれているので、読む負担が少ないのもポイントが高いです。
なお、本書を読む前提としてJavaの基礎知識は必須であり、デザインパターンやリファクタリングの知識があれば、より深く理解できると思います。