リーダブルコード Dustin Boswell 著 角征典 訳 の書評です。
結論から言うと、この「リーダブルコード」は、プログラミング言語を問わない、とても良いコーディング指南書です。プログラミング初心者を脱して、中級レベルにさしかかった時点で読むと、とても効果的と思われる一冊です。
■ 良い点
・ 良いコードの定義と理由そして具体例に説得力がある
・ 本書自体がとても読みやすく、また翻訳も良い
・ 形式面–内容面–再構築と実践しやすい章立てになっている
・ 章末に要点がまとめられている
・ プログラミング言語を問わない解説
・ 挿入されているイラストやマンガが秀逸
・ 短時間で読破できる
■ 悪い点
・ 特にないが、簡単なサンプルながら多言語を扱うので少し戸惑うかも
■ 総評
冒頭でも述べましたが、とてもよく出来たコーディング指南書です。とりたてて小難しいことをとやかく言うのではなく、簡単なことから順に、提案するかのように、よりよいコーディングの方法を教えてくれます。
簡単に出来る形式の整え方や役立つコメントの書き方(第1部)、より良い制御構造のロジック(第2部)、そして、コードの再構築(第3部)などを扱ってます。後半は段々と難しくなりますが、読めるところまででも読むと、コーディングのマナーとセンスが向上します。
最後の第4部では、実践として、よりよいテストコードの書き方を扱います。また、具体的な設計・実装として、サーバーの転送バイト数を把握するための「分・時間カウンター」を作成します。ここは、C++にて実装するので、少し難しめですが、前の章までを理解していれば、言語を知らなくても何をしているのか良く分かります。
この「リーダブルコード」は、サンプルが比較的簡単なので、PHPやJavaScriptのみしか知らなくてもそこそこ読みこなせます。脱プログラミング初心者を意識した時に読むと、成長が実感できる一冊です。